上司は部下にコーチングしない方がいい?「1on1ミーティングの失敗事例」

コーチング事例

上司は部下にコーチングしない方がいい?「1on1ミーティングの失敗事例」

2019年08月01日  
これは私の持論ですが、社員に対してのコーチングは外部の人間に任せるべきだと考えています。

そもそも会社とは、商品・サービスを通して世の中の課題を解決し、利益をあげるために存在しています。

上司は部下に、正しい問題の設定とその解決を指示しなければなりません。

ところが、コーチングは問題や課題を解決するために行うものではないのです!

一人ひとりが、問題や課題を解決しようと決意し、どう行動するかを決めていく過程をサポートするために行います。

つまり、会社の目指すべき方向性とコーチングという特性が一致しないのです。

ですが、長期的に見れば社員が自発的に問題解決のために行動するようになることは必要でしょう。

しかし、それは直属の上司がやるべきことなのでしょうか。

もちろん、上司にコーチングスキルがあればいいのですが、適切なコーチングができるようになるには相当の訓練が必要になります。

であれば、無理に直属の上司がやらなくても、専門スキルを持った外部のプロコーチに依頼する方が合理的だと言えるでしょう。

今回は、コーチングを学んだ(と思っている)上司が部下に1on1ミーティングを実施して失敗した事例をご紹介します。

1on1ミーティングの失敗事例

ある会社で営業部に所属している上司と部下との会話をご紹介します。

この会社では、月に一度1on1ミーティングを実施しています。

  • 上司
  • 今月はどんな目標にするのか教えてくれ。
  • (期待しているぞ)

  1. 部下
  2. はい。ここ3ヵ月の目標は毎月10件の契約を取ることでしたが、目標を達成することはできませんでした。
  3. 今月こそは10件の契約を取れるよう心機一転頑張りたいと思います。
  4.  (はぁ、月初になると目標設定かぁ・・・。毎回面倒だなぁ・・・)
  
  • 上司
  • 3ヵ月も目標達成ができていないのか。
  • 何か具体的な改善策はないのか?
  • (心機一転ってなんだよ。具体的な行動はどうするかを聞きたいんだ)

  1. 部下
  2. いえ、毎月改善策を考えて行動しているんですが、なかなかうまく行かなくて・・・ 
  3. (改善策が上手くいってたら目標達成できてるよ!)

  • 上司
  • それは、改善策とは言えないんじゃないのか?
  • (言い訳するくらいなら、原因と対策を考えてくれよ) 

  1. 部下
  2. はぁ。私も頑張ってはいるんですが・・・。 
  3. (面倒なことになったな・・・しまったなぁ) 

  • 上司
  • 頑張っているじゃわからん。
  • 君が思う具体的な改善施策を教えてくれ。
  • (本当に真剣に仕事をしてるのか?言い訳してるだけじゃないか)

  1. 部下
  2. 先月は、60件商談して6件の契約が取れました。
  3. だから今月は100件の商談をやります。
  4. (しまった、怒らせてしまったぞ・・・。なんとか納得させて話を切り上げよう)

  • 上司
  • 100件の商談ができるなら何故先月やらなかったんだ?
  • 本質的な問題はそこじゃないんじゃないか?
  • (問題の原因をちゃんと分析できていないじゃないか!ここはちょっと指導してやろう) 

  1. 部下
  2. ・・・・
  3. (あぁ。説教モードに入ってしまった。めんどくさいことになったぞ。)
  
  • 上司
  • 自分で考えることができないなら、私や先輩に聞いたらどうだ。
  • (自分の未熟さを認めさせて成長を促してやろう。部下を成長させるのも上司の役割だからな。) 

  1. 部下
  2. はぁ・・・。
  3. (私は何も考えられない無能だと言いたいのか!?)

  • 上司
  • もっと物事の本質を考えなきゃ改善するわけないじゃないか。
  • 君は表面的にしか考えていないから結果が出ないんだ。
  • 私なら目標を達成しなかった原因をなぜなぜ分析して、そこから対策を考えるね。
  • まずは、私や先輩を見習いなさい。
  • (まずはお手本を見せてやろう。そうすれば自分で考える力がついて部下の成長にも繋がるはずだ) 

  1. 部下
  2. わかりました。では、できるだけ見習うようにして、本質を考えられるように努力します。
  3. (この人には何を言っても無駄なんだろう。ここは納得したふりをして切り上げよう。)

質問の難しさは、相手が本当の気持ちや考えを話してくれているか判断が難しいところにあります。

この上司の言っていることは正論で、言っていることに間違いがある訳ではありませんし、短期的には結果が向上するケースが多いでしょう。

しかし、部下の能力を信頼せず自主性を奪ってしまっています。

言葉では「自分で考えろ」と言っていますが、「私を見習え」と真逆の指示を出しているのです。

そうすると、自分で考えることをせず上司の顔色を伺う人材になります。

今の会社員は、このような人材ばかりになっていないでしょうか?

一度奪われた自主性を取り戻すことは非常に難しいです。

それこそ専門スキルを必要とします。

にも関わらず、多忙な上司が部下の自主性を取り戻すサポートまですることには違和感を感じています。

上司は明確な目標を与え、具体的なやり方を指示して、結果にコミットすることが役割のはず。

であれば、部下の自主性を取り戻すには外部の専門家に依頼してもいいのではないでしょうか。


n
このエントリーをはてなブックマークに追加