ソーシャルスタイル理論を活用したマネジメント手法

ノウハウ

ソーシャルスタイル理論を活用したマネジメント手法

2019年08月11日  
  • 同僚
  • どうしてあの人はわかってくれないんだろう?

  1. 上司
  2. 部下が何を考えているかわからない・・・。

  • 部下
  • どんな言い方をすれば、うまくコミュニケーションが取れるのだろう。

こんなコミュニケーションの悩みを持っていませんか?

自分と価値観の違う相手とうまくコミュニケーションが取れないのは当然のこと。

だからといって良い関係を築くことを諦めてしまうこともできませんよね。

そこで、1968年にアメリカのデビッド・メリル氏という産業心理学者が、「人の価値観は4つに分類でき、それぞれに適したコミュニケーションを取ることで改善できる」と、自分と価値観の違う相手でもうまくコミュニケーションが取れると提唱しました。

それが、ソーシャルスタイル理論です!

▼目次
ソーシャルスタイル理論とは
アナリティカル
ドライビング
エミアブル
エクスプレッシブ
ソーシャルスタイル理論活用の注意点


ソーシャルスタイル理論とは

人の価値観を4つに分類し、良好な関係を作る理論のことをソーシャルスタイル理論と呼びます。

自分の価値観と相手の価値観とを比較して、コミュニケーション手法を変えることで良好な関係を築くことができます。

感情」と「意見」を軸にして、次のような分類をされます。
ソーシャルスタイル理論

・アナリティカル:分析が得意。感情表現が苦手。
・ドライビング:負けず嫌い。もくもくと仕事をこなす。
・エミアブル:協調力がある。他人を優先する。
・エクスプレッシブ:明るく元気。挑戦する。

アナリティカル

自分の感情を抑え、相手の意見に耳を傾ける人はアナリティカルの傾向があります。

アナリティカルの人は、計画、事前準備を大切にします。

自分の専門を大切にし、ミスは少なく確実に行い、淡々と仕事をこなす職人気質。 

決められた仕事をきっちりと一つひとつ終えていくことを好みます。 

人に振り回されることを嫌いますから、一人で出来る仕事を選びがち。

人によっては何日も誰とも喋らず黙々と作業するのも苦になりません。 

行動は慎重で、立てた計画は実行する前にとことん検討するタイプです。

自分の意見を伝えるときも、じっくり考え返答する傾向が高いので、「打てば響く」対応は苦手です。 

ただ、相手の意見を分析して、鋭く現実的な発言をすることもあります。

強み
正確、コツコツ、継続、分析、調査、マイペース、計画、実現主義
弱み
取り掛かりが遅め、話が長い、雑談やアイディア出しは苦手
 

アナリティカルな部下へのアプローチ

「正確さ」にこだわるアナリティカルには、具体的な指示を出すことを心がけましょう。

ギリギリで適当に片付けるような仕事は基本的に苦手なので、急なオーダーや変更を嫌います。

また、面談や会議で発言を引き出したければ、事前に議題や質問を伝えましょう。

その際の質問はできるだけ具体的に。

何を聞かれているのか、どんな意見を求められているのか、そしてその理由は?と言った点が理解できてないと意見を言いたがたがりません。

アナリティカルな上司のための注意点

元々人と関わることをあまり好まないアナリティカルは、そもそも部下とのコミュニケーション不足に陥りがち。 

ミーティングでもランチタイムでも、朝の挨拶でも構いませんから、「対話の時間確保」が課題と心得ておきましょう。 

計画すれば実行するのは得意な方も多いので、部下それぞれから週に一度は話を聴くと決めて、星取り表のような自己管理ツールを活用するのもいいかもしれません。

また、予想外の出来事が起こることを好みませんから、リスク対応重視のあまり、ついつい管理型のリーダーシップに走りがち。

部下に細かな指導を指摘しすぎて、煙たがられる存在になる可能性もあります。

部下の自主性や創造性は、様々な挑戦から生まれるものでもありますから、ときには口出しせず、「相手に仕事を任せること」も重要です。

任せる前には、相手がどのように進めようと思っているかを事前にコーチング。

計画書を共に作る気持ちで、部下の意見をしっかりと引き出しましょう。

ドライビング

自己主張が強く、自分の気持ちは抑えがちな人はドライビングな傾向があります。

ドライビングタイプの人は、生まれついてのリーダー気質で、戦略、勝負を好み、指示されるのを嫌います。

「自分の道は自分で決める。別に褒めてくれなくてもいいよ。」そんなタイプです。

ドライビングタイプは、指示命令など一方的なコミュニケーションをとりがちです。

話をじっくり聞くのは苦手で、ついつい相手の話を遮ってしまいます。

相手と意見を戦わせることを恐れず、はっきり言うことが多いので、衝突も多めではありますが、上昇志向を発揮して出世していく人も多くいます。

強み
判断・決断が早い、打たれ強い、自己主張ができる、ドライ
弱み
空気を読むこと、相手に合わせることが苦手、怖いと言われる 

ドライビングな部下へのアプローチ

「自分にしかできない」仕事に燃えるドライビング。

仕事の意義と目的をきちんと伝えた上で、全てを任せるとやる気を発揮します。

自由に仕事をさせることで、高いパフォーマンスを発揮しますが、責任の所在、上下関係については、最初にしっかりと伝え、納得させてから任せましょう。

ドライビングな上司のための注意点

ドライビングな上司が注意すべきは、「コンサルスイッチオンの罠」。

ついつい「どうしてこんなこともできないんだ?」と相手のレベルに不満を感じ、一方的な指示になりがち。

「部下から相談されないのは、問題がないからだと思っていました。まさか自分が敬遠されていたとは・・・」ある日、突然思ってもいなかった問題が噴出する可能性があります。

上司として高見を目指すなら「部下からのフィードバック」を得る機会を作ることもお勧めです。

エミアブル

感情表現が上手で、聞き役になる人はエミアブルな傾向があります。

エミアブルタイプの人は、リーダーなんてガラじゃないと思っていて、みんなから期待されてることは何だろうと考えます。

みんなのために頑張ろうと思い、周りからのお願いを断れず、ついつい「はい」と引き受けてしまう優柔不断な「いい人」です。

強み
親切、優しい、気配り、サポート、思いやり、癒やし
弱み
決断できない、プレッシャーに弱い、人前で話すこと

エミアブルな部下へのアプローチ

周囲からどう見られているかを常に気にするエミアブルには、ねぎらいの言葉が効果抜群です。

仕事を任せたら、「困ったら言って」ではなく、順調かどうか「どんな感じ?」とこちらから声をかけましょう。

また、プレッシャーのかかる状態で意見を求められると、本音ではなく、聞き手が期待している意見を口にする傾向があります。

原則、柔らかい態度を心がけましょう。

エミアブルな上司のための注意点

聴くのが得意な聞き上手。

相手の話への共感力も高く、話しやすい雰囲気をもっています。 

しかしながら、ビジネスで重要なのは共感だけではありません。

相手のことを思いやるだけでなく、「成果目線」をしっかり持って、ときには厳しいフィードバックをすることも必要です。

ビジネスでは、仲良しチームでは困ります。

目標をきちんと設定し、そこに向けての対話を進める仕組みを構築しておきましょう。

お勧めなのは、「GROWモデルのワークシート」など、記入しながら進められるツールを用意しておくこと。

GROWモデルについてはこちら
GROWモデル

相手のペースに合わせるのは得意でも、自分がリードしていくことは苦手、という方も多いので、その部分はツールに補完してもらいましょう。 

エクスプレッシブ

自己主張が強く、感情的になりやすい人はエクスプレッシブの傾向があります。

エクスプレッシブタイプの人は、サプライズが大好きで仕事も勉強も全力で楽しみます。

なんとかなるさと楽観的で、細かいことなんて気にしても無駄だから、やってみてから考えようというタイプです。

会議や勉強会、飲み会も基本盛り上げ役。 

自分の意見を感じたままに口に出す傾向が強く、「根拠は?」と聞かれると「直感です!」と自信満々に答えたりします。

強み
楽しい、アイディア出し、行動力、周りを巻き込む、社交的、ノリと勢い
弱み
忘れっぽい、飽きっぽい、ルーティンが苦手、地道な努力 

エクスプレッシブな部下へのアプローチ

周りと一緒に盛り上がりたいエクスプレッシブへの対応は、会話を楽しむこと。

「それで、それで?」「うんうん!」「へぇ~!」など、大げさな反応を喜び、どんどん会話が弾みます。

細かなやり方を指示されるより、「自由さ」を感じさせる指示の出し方が効果的です。

エクスプレッシブな上司のための注意点

最初は聞いていたはずなのに、つい自分の話しを始めがちです。

本人は、「話が盛り上がって良かった」と満足していても、相手は「ちっともこちらの話を聞いてくれない・・・」と不満をつのらせているかもしれません。

相手が答えを考えて沈黙してしまうと、自分が話し始めて相手の考えを奪ってしまいがちです。

また、思いつきで話すことも多いので、相手の話も自分がいったことも、覚えておくのが苦手です。

自分なりの「リマインドの仕組み」を工夫しておきましょう。

ソーシャルスタイル理論活用の注意点

ソーシャルスタイル理論は、どの傾向が良い、悪いということではありませんので、相手はこうだと決めつけて、枠に当てはめないように気をつけてください。

うまくいかない相手に対し、違うタイプの特長をマネて対応のヒントにすることもできますし、自分の特長を知ることで、上司として注意すべき点が見えてくるかもしれません。

ソーシャルスタイル理論は、相手を知り、自分を知るための分析ツールです。

個別対応力を上げるためにも、ぜひ活用してみてくださいね。



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