コーチング事例
社員のモチベーションは重要じゃない!!マネジャー自身の問題に気づかせるコーチング
2019年07月30日
マネジャーをしていると、社員にもっとモチベーションを持って欲しいとか、成長のためにチャレンジして欲しいとか思いますよね。
「こうだったらいいのになぁ〜」って誰だってと思うことはあります。
でも、仕事で大切なのは成果を出すことじゃないですか?
本当にモチベーションが高くなれば成果をあげることができると思いますか?
次の例を考えてみましょう。
「こうだったらいいのになぁ〜」って誰だってと思うことはあります。
でも、仕事で大切なのは成果を出すことじゃないですか?
本当にモチベーションが高くなれば成果をあげることができると思いますか?
次の例を考えてみましょう。
飲食店の従業員のサービスレベルが低い
地元では人気のレストランを経営する上野さん。
最近は雑誌の取材もあり、自分も厨房に入らなければならないほど忙しくなってきました。
厨房で料理をしていると、お皿やコップの清掃が適当だったり、調理道具の扱いがぞんざいだったり、問題点がたくさん目につきました。
社員やアルバイトは他の飲食店に比べても高い時給を支払っているのに仕事にモチベーションが低いと感じています。
みんなのモチベーションを上げるにはどうしたらいいか、上野さんとコーチがセッションすることになりました。
- コーチ
- 上野さん、こんにちは。何だか疲れているように見えますがどうしたんですか?
- 上野
- そうなんだよ。もう30日連続で働いているんだ。
- 昨日も休みだったのにアルバイトが急に休むと言ってきて結局仕事になっちまった。
- でもそれは俺が頑張ればすむことだからいいんだけどよ。
- コックのやつは適当な味付けするし、ウェイターは愛想が悪いし、みんなモチベーションが低いんだよなぁ。
- この間も作った料理をつまづいて床にブチまけやがったから、思わず怒鳴っちまったよ。
- お客さんもいたのに恥ずかしいことしちまった・・・。
- コーチ
- 料理を落としたことはそんなに許せないことだったんですか?
- 上野
- そうじゃねぇんだけどよ。
- 色々不満が溜まってついカッとなってしまったんだよ。
- 怒った後は、良くなかったよなぁって自分でも落ち込んじまった。
- コーチ
- 自分でも良くないと思っているけど、抑えきれなかったんですね。
- 冷静になった今なら、なんて言う風に注意しますか?
- 上野
- 今なら、皿の持ち方をアドバイスするかなぁ。
- 実際にやって見せるんだよ。こうやって持って運ぶんだって。
- コーチ
- その後、まだ実際にアドバイスはしてないんですよね。
- やったほうがいいと思っているのに何でやっていないんですか?
- 上野
- 何でって、そりゃあ・・・。何でだろうなぁ。
- でも、そのくらいちょっと考えりゃわかることだし、わからなきゃ見て学ぶのが当たり前だろう?
- コーチ
- でも、現実として社員やアルバイトはそれができていないんですよね。
- 改善するためには「社員が」ではなく、「自分は」何ができるのでしょう?
原因は社員のモチベーションじゃなくマネジャーにあり!
ここまでのコーチングで、上野さんは「社員が」こうあるべきと、他責の考え方をしていることがわかりました。
上野さんの認識では、”社員とアルバイトのモチベーションが低いことが問題だ!”と思っていたのに、上野さん自身がやるべきことをやっていなかったのです。
確かに働く上でモチベーションが高いことは重要なことです。
ですが、仕事で成果をあげるためにモチベーションを上げさせようとすることは間違っています。
そもそも上司がお客様や社員のために全力になっていればモチベーションなんて自然とついてきます。
それでは、上野さんは社員やアルバイトにどう接すればいいのでしょうか?
- コーチ
- 上野さんは当たり前だと思っていても、社員やアルバイトの人は当たり前だと思っていないかもしれません。
- だから、上野さんができることを考えて行きましょう。
- 上野
- 俺ができることか・・・。
- 最近は、忙しくてみんなとちゃんと話す時間がなかったからな。
- みんなが何を思っているのか話を聞いて、それから俺の思いを伝えてみるとかかな。
- コーチ
- その後はどうしますか?
- 上野
- その後って何だよ?
- コーチ
- 上野さんのおっしゃったことは確かに大切なことだと思っています。
- ただ、それで問題の全てが解決するのでしょうか?
- まだ残っている問題にどう対処するんですか?
- 上野
- そんときゃ、そん時考えるんだよ!
- 俺一人で考えて無理なら、社員と一緒に考えるさ!
- みんなで何が問題か、どうやって解決するか話合えば解決できるさ!
- コーチ
- 何だか上野さんには、みんなで議論しあって問題に真剣に向き合っている状況が思い浮かべれているようですね^^
- さっきまで、社員に文句を言っていた上野さんは消えてしまったみたいです(笑)
- 上野
- 言われてみればそうだな・・・。
- どうにもならないと思ってたけど、どうにでもできる気がしてきたよ。
- コーチ
- それは素晴らしいことですね!
- 次回のセッションまでに上野さんと社員・アルバイトの方にどんな変化が起きるのか楽しみにしています!
上野さんは、"社員のモチベーションが低いことが問題だ"と思っていたのに最後は自分にできることは何かを考えるようになりました。
ほとんどの場合、社員のモチベーションが低いのはマネジャーがやるべきことをやっていないだけなのです。
また、コーチはクライアントが言葉にした改善行動を具体的にイメージ化できるように導きます。
上野さん自身の変化を促すのがコーチの役目。
環境や他人に目が向いていたら、内面に意識を向けさせ、具体的な改善行動を促しましょう。